不登校の保護者面談のコツ:学校と保護者の温度差

生徒が学校に行きづらくなった場合、学校と保護者の面談が行われますが、なかなか先生にこちらの意図を理解してもらえなかったり、温度差を感じるという声も聞きます。

この記事では、不登校に関連して保護者と学校の先生の間にどのような温度差が存在しているのかということを解説していきたいと思います。 保護者にとっても、学校の先生にとっても、お互いの理解のために役立つ記事にしたいと考えています。

温度差ができる要因は3つあります。

 1つ目は最新情報の差、2つ目は不登校の「後」の様子、そして3つ目は対応が十分かどうかという3点です。それぞれについて以下で詳しく解説していきます。そして、、保護者と先生がお互い意識すべきコミュニケーションのテクニックについても情報を提供します。

1. 最新情報の差

まず、保護者と学校との間に感じられる温度差の一つ目が、情報力の差です。保護者の方が最新情報を持っていることが多いです。

なぜなら多くの保護者はスマホやパソコンで不登校や進学先、相談先などの情報を必死に集めているからです。お子さんにどう声がけしたらいいのか、青森で相談できる場所はどこか、不登校でも入学可能な高校はあるか、フリースクールはあるかなどの情報をたくさん調べます。

一方で、多くの学校の先生は不登校に関する新しい情報を積極的に検索することが少ないのが現実です。

以下の記事のような基本事項であっても、全ての先生が知っているわけではありません。

この記事では、いわゆる不登校についての青森市での現状や高校などの進路について解説していきます。学校に行きづらい生徒、保護者だけでなく、すべ...

このため、情報力での温度差が生じ、面談でのコミュニケーションがスムーズに行かない場合があります。

2. 不登校の「後」の様子

学校の先生は、日々たくさんの生徒と接する中で豊富な経験を積んでいます。しかし、その経験は主に「学校にいる生徒」に関するものです。ですから、不登校になった後の生徒の様子については、十分に把握していないことが多いです。

一方、保護者やフリースクール、オルタナティブスクール、さらには居場所事業を行っている団体は、不登校後の生徒がどのような状態で、どのような段階を経ているかについてよく知っています。たとえば学校を休むようになってから徐々に気力を取り戻す状況や、以前とは発言する内容が変わってくるなどの変化は、学校の先生からはなかなか見えにくいものです。

このように、不登校になってからの生徒の状態については、学校と保護者(または専門機関)とで認識が異なる場合が多いです。このギャップは、面談時のすれ違いになる可能性があります。

3. 対応が十分かどうか

生徒に対する対応については、保護者は十分な対応してもらえていないと感じる一方で、学校は十分対応していると考えている可能性があります。

青森県教育委員会のアンケートによれば、現場の教師の約80%(1259名)が生徒と向き合う時間が確保できていると回答しています。(「確保できている」と「どちらかといえば確保できている」の合計)

対象は高校の先生が多いこと、アンケートに回答したのは意欲のある先生が多かった可能性もありますが、小中学校においても似たような傾向はあると推測されます。

一方で、保護者は多くの場合、もっと生徒と向き合ってほしいと考えています。しかし、先生方も多忙であるため、なかなか要望を出すのも気が引けるとの声も上がっています。

以上のように、学校と保護者との間で「対応が十分かどうか」については、温度差が存在するといえます。

『学校における働き方改革について(令和4年度までの取組)』

保護者が面談で心がけるべき話し方のコツ

保護者が学校の先生との面談で気をつけるべきことは、先生の自尊心を傷つけずにコミュニケーションをとることです。実際には保護者の方が多くの情報を持っている場合が多いですが、その情報をどう伝えるかがカギとなります。

たとえば、「ネットで見たので間違っているかもしれませんが」といった前置きをしてから情報を提供するなど、言葉の選び方や言い回しに工夫することが重要です。このような姿勢で面談に臨むことで、先生と保護者の話し合いがスムーズに進む可能性が高まります。

学校の先生が不登校の面談で心がけるべき「聞く」姿勢

学校の先生が不登校の生徒の保護者と面談する際、最も重要なのは「聞く」姿勢を持つことです。多くの保護者はスマホで様々な情報を調べており、その情報が先生にとっても有益な場合があります。

保護者が文科省の方針や新しい法令をいち早くキャッチしていることも多くあり、これまでの学校や校長の方針だけを参考にせず、保護者が何を調べて、どういった考えや方向性を持っているのかをしっかり聞くことが必要です。

特に、学校側では「学校に戻る」ことが暗黙の前提とされがちですが、保護者が必ずしもそのように考えていない場合もあります。この点についても、しっかりと保護者の意向を聞くことが大切です。

まとめ

この記事では学校と保護者の間で生じる「温度差」の原因を詳しく解説してきました。保護者と学校が持つ期待や認識にはギャップが存在することが多く、それぞれの立場からしっかりと理解し合うことが重要です。

この記事の情報が、保護者と学校の面談がよりスムーズに行われる手助けとなり、問題解決に向けた良い方向へ進むきっかけになれば幸いです。