発達障害の基礎知識と青森市での現状

発達障害は非常に身近な問題でありながら、一般の人々にとってまだ理解が進んでいないテーマです。

特に、不登校と発達障害は密接に関連していますが、どのように対処すべきかが広く知られていないのが現状です。

この記事では、発達障害の基本的な理解から青森市での状況、そして障害者雇用や障害年金などの生活支援情報の情報を共有していきたいと思います。

発達障害とは

発達障害を一言で表現すると「相手の気持ちを読むのが難しい」「注意力のコントロールが苦手」などの特性を指します。知的障害が伴う場合と伴わない場合があり、そのためIQが平均以上である発達障害の人も少なくありません。

発達障害は、脳の発達に偏りがある状態を指し、凹凸という言葉もよく使われます。簡単に言えば、神経の発達が一般的に考えられる「定型」ではないということです。多数派の「定型」の発達に対して、少数派を「非定型」と呼びます。生活に支障が出ている非定型発達の場合、それが「発達障害」として分類されます。

発達障害でよく知られているものとしては、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動性症(ADHD)があります。ASDは主に他者の感情を読むのが難しく、ADHDは集中を持続することが苦手であるというのが主な特徴です。

現在「発達障害」という名前が一般的ですが、将来的には「神経発達障害」または「神経発達症」という呼び名が主流になる可能性があります。

グレーゾーン

次に、グレーゾーンのお話をしたいと思います。発達障害の「グレーゾーン」とは、診断基準に完全には当てはまらず、確定診断が得られない状況を指すものです。

こうしたグレーゾーンにおいては、適切なサポートが得られないという問題があります。診断名が確定すればサポートが受けられるが、グレーゾーン状態なのでサポートが受けられないというような状況もあります。

近年では幼児期に発達診断を受けることが多くなっていますが、それ以前はグレーゾーンに該当する方が多数存在すると思われます。

具体的な行動

具体的にイメージしていただくために発達障害の方が具体的にどのような行動を取るか、一例を挙げます。ただしこれはあくまでも一例であり、人それぞれに違いがあることをご留意ください。

自閉スペクトラム症(ASD)の例でいうと、相手の気持ちを読むのが難しいという特徴があります。他人との距離感がつかみづらいことから、距離が近すぎるという形で表れることがあります。

定型発達の人は会話中に相手の興味に応じて話題を変えることが多いですが、ASDの人は相手が興味を失っていると感じても話を続ける場合があります。ただし、明確に「興味がない」と言語で伝えると、その意味はしっかりと理解されます。

このように前後の流れや空気感を共感することが難しく、言葉で伝えられると理解できるという特徴があります。

本人に悪意はなく、明確な言葉のやり取りによってスムーズにコミュニケーションが可能です。しかし、定型発達の人とはコミュニケーションのスタイルが異なるため、日常生活での困難さやストレスが増えることが多いです。

二次障害

発達障害が引き金となって、うつ病やその他の精神疾患、またはいじめの対象になるような状況を二次障害と呼びます。

特に学生時代は周りと比べて変わっている人に敏感ですから、注目されやすいです。生徒からのいじめはもちろんですが、先生から不適切な扱いを受けることも二次障害と呼ぶことができます。

不登校に関しては、こうした二次障害も含めたことがらが関係していることが多いです。

不登校と発達障害の関係

ここまで見てきたように、発達障害の当事者は定型発達の他の生徒や先生とのすれ違いが生じやすいです。発達障害の生徒は不登校になりやすいと主張する専門家もいます。

発達障害による困難は、個人の責任や努力不足ではなく、むしろ脳という臓器の生理的な特性に起因すると言えます。しかし学齢期の生徒にとっては、発達の偏りであることを受け入れられずに「自分がもっとがんばればいい」と考えてさらにストレスを蓄積していくケースも多くあります。

一例として、他人の評価に悩んで不登校に陥ったASD(自閉スペクトラム症)の生徒の状況を紹介します。

生徒は、自らを「勉強が得意でなければならない」という理想と、その現実とのギャップに悩んでいます。生徒自身は、周囲からも高い成績が期待されており、その期待に応えられないと自分には価値がないと感じています。

しかし、実際には他の生徒はその生徒本人が勉強ができるかは特に気にしていません。ASDの特性として他人の感情を読むのが難しいため、しばしば誤って相手の気持ちを想像し、その結果として悩むケースがあります。

このように、発達障害が何らかの影響を与えて学校生活に苦しさや生きづらさを抱え、不登校になるケースがあります。

青森市での初診までの待ち期間

病院の初診までの待ち時間が長いという問題もあります。心療内科や小児科で受診することができますが、 心療内科だと初診の待ちが6ヶ月以上になっているというのが青森市の現状です。

定評のある病院であればもっと長くかかることもあります。評判の良いお医者さんに行こうと思えば何か月もかかってしまいますし、 予約がすぐ取れるお医者さんだと何か理由があって人気が無いのかなどと疑ってしまうこともあり、複雑な状況になっています。

青森市内ではもちろんのこと、青森県全体でも似たような状況です。

親の発達障害

次に親の発達障害についてお話していきたいと思います。発達障害には遺伝的要素も関与すると言われています。

もし病院でお子さんに発達障害の診断がおりた場合は、保護者の方も診断を受けることを検討されるのが良いかもしれません。

病院で診断してもらうことによって、保護者の方自身の生きづらさが解消されて対人コミュニケーションがスムーズになり、その結果親子関係も良くなることがお子さんにとって良い影響になるということです。

こういった例は実際にまず 生徒さんの方が発達障害が分かってその後に親子さんの方も受診してみたら 発達障害に診断が降りたというようなこともあります。

ですから一つの選択肢として、お子さんに発達障害が疑われるような場合があれば、お子さんを受診させることも検討しながら、保護者の方が先に受診するというようなこともいいのではないかと考えています。

障害者雇用・障害年金

次に障害者雇用についてお話しします。 発達障害の診断を受けて、 障害者手帳が交付された場合は、 障害者雇用という将来の働き方も考えられます。

規模の大きな会社であれば、障害者を何%雇用するべきという数字が決まっており、今後も引き上げられていく予定です。また、障害者を雇用することで会社に補助金が支給される場合もあり、政府も企業も障害者雇用をサポートする仕組みがあります。

また、発達障害で障害者手帳を交付され手続きをすると障害年金を受け取ることができます。

将来どうやって生活していくかという不安については政府や企業が上述のように発達障害や精神障害のサポートを積極的に行っている点を把握しておくと役立つかもしれません。

病院に行くかどうか

病院を受診するかどうかという点についても問題になることがあります。人それぞれ複雑な事情がありデリケートな部分です。

まず、受診するメリットとして、診断名がつくことによって心の整理ができるという場合があります。

例えば、保護者の方から見て「うちの子どもだけ、何か少し違うような気がする」と感じていて、受診して診断がついたときに「脳の発達の偏りで他の子どもと違った行動をしていたんだ」というふうに納得できて安心したというような声を聞きます。

診断名がつくことで安心できるという気持ちであるならば、 受診するメリットがあるかと思います。

別のメリットとして、本人や周りの対応方法がわかるという点があります。もちろん診断がついても人それぞれパターンが違うのですが、それでもおよその行動パターンの傾向であったり、どういうふうに関わると周りが楽になるかがわかる場合があります。

周囲の人がどのようにコミュニケーションを取れば良いのか、または本人がどのように行動すれば生活が少し楽になるかといった情報が探しやすくなるのです。

情報が探しやすくなって対処の方法が分かるというのはメリットになるかと思います。

一方で、診断名をつけたくないということで病院の受診を拒否するという場合もあります。これは「障害受容」の問題と呼ばれています。

保護者もしくは生徒自身が病院受診を望まない場合、その意志は尊重すべきです。その一方で、上に書いたようなメリットを受けられることを頭の片隅においていただければと思います。

青森の支援センター

青森県発達障害者支援センター「ステップ」という支援センターがあります。

ステップでは、発達障害のある方への支援を総合的に行うことを目的にした専門的機関として、相談や就労支援をされています。

当センターは発達障害がある方の乳幼児から成人期にいたる各ライフステージおいて、安心して生活することができるよう、生涯にわたる継続した支援を目指します。

青森市での不登校の現状

青森市での不登校をとりまく状況や対応をまとめた記事はこちらです。

この記事では、いわゆる不登校についての青森市での現状や高校などの進路について解説していきます。学校に行きづらい生徒、保護者だけでなく、すべ...

まとめ

不登校と発達障害は大きく関連している可能性があります。この記事では、そのような発達障害の基本的な情報から、青森市での医療状況、そして親子での発達障害の対処方法について解説してきました。

何より大切なのは、発達障害は個人の「努力不足」や「責任」ではなく、生理的な特性に起因するものであるという理解です。

学校での生活、将来の生活がより良いものになるよう、少しでもお役に立てれば幸いです。