クラウドファンディングページ

青森市に新しい教育の選択肢「ちいさな学校」を作りたい

私たちは誰にとってもやさしい学校をつくるため、三年間かけて少しずつ準備をしてきました。そして今回「ちいさな学校」という名前のスクールのオープンにあたって、運営費の一部をクラウドファンディングで募ることにしました。

支援金額:
目標金額: ¥500,000
達成
あと

ごあいさつ

三國 清志

こんにちは。ちいさな学校で奨学金やクラウドファンディングを担当している三國 清志(みくに きよし)と申します。

青森市出身で大学卒業後地元にUターンして、現在は学習塾を運営しています。

学習塾と聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか。競争、詰め込み、管理という言葉をイメージする方も多いかと思います。

スクールについて

今回オープンするちいさな学校は、そのようなイメージとはまったく逆のものです。自由、知的好奇心、生徒主導、創造性、実生活という言葉で表現するのがふさわしい学校を創ろうとしています。

学習塾を運営していた私がなぜそのような新しい形の教育に目を向けたのかというと、塾の生徒とのいくつかの思いがけない出来事があったからです。私がちいさな学校を作らなければならないと感じるに至ったストーリーをお伝えさせていただきます。

子ども、若者は勉強が好きである

スクールについて

私(みくに)が塾講師としてキャリアをスタートした22歳の時、生徒は勉強が嫌いなものだと勘違いし、テストの点数につながらない無駄は省き効率だけを重視しました。

結果、テスト勉強は進んだものの、言われた通りに勉強をする生徒たちはどこか無表情に勉強しているように見えたのがずっと気になっていました。

ところが、生徒との信頼関係ができて本音で話ができるようになると、生徒からかけられる言葉が変わってきました。

このような自由な発想で質問をしてくれるようになりました。

「テストの解き方だけじゃなく、原理が知りたいです」

「歴史上の人物って本当に存在したんでしょうか?」

大人が忘れ去ってしまった根本的な問いを生徒たちは持っていました。私も生徒と一緒に考えたり調べたりするのが楽しい時間になりました。

スクールについて

テストの点数にはつながらなくても、生徒は自分から知りたがっていました。それはどこか生き生きとした表情に見え、これこそが本当の学びなのではないかと感じました。

さらに生徒との対話を重ねていくと、「学ぶことは好きだけど、テスト勉強が好きではない」「小学1年生の時のような楽しい勉強がしたい」という声も聞こえてきました。

特に、テストでいい成績を取っているような生徒たちからテスト以外の勉強がしたいという意見が出たのは予想外でした。

本当は生徒たちは知的好奇心に溢れていて、学ぶこと自体を心から楽しんでいます。たしかに、TVのクイズ番組やクイズ系YouTuberが人気です。ここにヒントがあると私は感じました。つまり、本来子どもや若者にとって勉強は楽しみながらできるもので、それができないのであれば勉強の具体的な方法やシステムに問題があるということです。

このような生徒たちとの対話から、生徒が自ら課題を見つけ楽しく学びに取り組むことができるような新しい教育の選択肢が求められているのではないかと考えるようになりました。

ごく普通の生徒が不登校になる

スクールについて

26歳の時、成績を上げるための塾ではなく「勉強のやり方を教える塾」として自分の塾を運営し始めました。塾の自由度が上がったので生徒と一緒にご飯を食べたり、スポーツをしに行ったり、合宿をしたりということができるようになり楽しく活動していました。

ところが、「学校に行けない」「どうしても朝起きられない」という問題を抱える塾の生徒たちが出てきました。その生徒たちは、ごく普通の子供たちです。世間では不登校イコールひきこもりというイメージがありますが実態は全く違っていて、人とおしゃべりするのが好きで優しい心を持つごく普通の生徒たちです。

私たちの塾では不登校の生徒のために日中の教室を活用して居場所を確保し、保護者や学校とのやり取りを仲介するようになりました。その生徒たちはそれぞれの進路を見つけていきました。しかし、考えてみると塾に通っていない他の生徒は居場所を見つけられず、さらに学校に行っていない後ろめたさから外に出なくなり社会と断絶するという負のループに陥っているのではないかとも想像できます。

このように、不登校がごく普通の生徒に起こること、不登校がきっかけとなって社会との断絶が生まれてしまっている現状があります。このことから不登校かどうかに関係なく誰にとってもやさしい学校が必要とされているのではないかと考えるようになりました。

幼稚園に行けなかった自分

スクールについて

自分自身(みくに)を振り返ってみると、私もかつて幼稚園へ行くのを拒否していた時期があり、出席日数は半分にも満たなかったことを思い出しました。私の場合は、幼稚園で決められた指示通り動くのが苦手で、圧迫感を感じたり不安を感じたのを覚えています。

その後の小中高、大学時代も非常に苦しい日々でしたが、誰かに相談することもできず「他の人も辛い思いをしている」と自分に言い聞かせて何とか乗り切りました。この苦しい体験から得られたことはあるのだろうかと疑問に思うことが今でもあります。

子どもたちの世界は大人や親が思っている以上に厳しいということをすっかり忘れていました。普段から塾で生徒と関わっていながら、大人になるにつれ大人の勝手な都合で生徒と関わっていた自分を反省しました。人はそれぞれ生きづらさを抱えています。みんなも辛いからあなたも我慢しろというのではなく、大人も子どもも等身大の自分で向き合う在り方が教育の現場に必要だと考えるようになりました。

既存の教育システムへの疑問

これらの経験から、自分がこれまで当たり前と思ってきた学校や教育について疑問を抱くようになりました。それは既存のシステムを否定するネガティブなものではなく、私たちの工夫や周りの方の協力を得ながら新しい解決策を提示できるのではないかというポジティブな気持ちです。

まず手始めに、なぜ教育はこのようなシステムを採用しているのかその根拠を探しました。しかし明確な理由は見つからず、「これまで同じようにやってきたから」「自分たちもそうやってきた」という理由しか見つけることができませんでした。

さらに深く調べると、現在の教育の形は200年以上前に作られ、当時重要だった工場作業員を育てるための教育方法であることがわかりました。たしかに、歴史の教科書で見るような工場と、学校の教室は似たような構造を持っており、大人数で指示されたことを機械的にこなす様子が見られます。

スクールについて

T型の学校をつくりたい

スクールについて

では、自分が行きたい学校はどんな学校だろうかと考えると、”T型の学校”だという結論に至りました。

つまり、Tのヨコ棒のように広く、タテ棒のように深くという二つを組み合わせた学校です。

スクールについて

もう少し説明すると、どのような生徒でも受け止める、誰にとってもやさしい学校であるということがTのヨコ棒になります。

たとえば、周りと少し違う生徒がいたとしても、それが当たり前のこととして受け入れられている状態です。

スクールについて

さらに、Tのタテ棒はそれぞれの生徒が自分の知的好奇心や興味に従って深く学ぶことを表しています。

人それぞれ、好奇心の向かう方向やその強さは異なります。

だからこそ、それぞれの生徒が自分に合った学びの方法で、自分の関心を深めることが重要です。このタテ棒の深さが、学びの楽しさを感じるために必要だと考えています。

スクールについて

それに対して、今ある伝統的な学校は”丸型の学校”といえます。平均的な生徒と平均的な先生にとって最適なシステムで、秩序の維持という点で優れています。

多くの生徒が丸の中に収まる一方で、丸から外れてしまう生徒もいます。内閣府によると"子供たちが多様化する中で紙ベースの一斉授業は限界"との見解が示されています。

スクールについて

自分が行きたかった学校とは、等身大の自分を受け入れてくれ、学びたいことを深く学べるT型の学校だと考えています。

新しい学校が広がっている

スクールについて

いま、全国ではオルタナティブスクールという新しい形の学校が続々と誕生しています。これは既存の学校や教育が目指した理想を、新しい形で置きかえる学校です。教師が大人数に一方的に正解を与える授業ではなく、少人数で生徒が主導する課題解決的な学びを特徴とする学校です。

たとえば、生徒が捨てられたゴミやリサイクル品を使ったアート作品を製作するプロジェクトを立ち上げたとします。リサイクルできる物質について調べるために化学を学び、作品を展示する公共施設に生徒がメールを送って交渉をします。

このように実生活に役立つ経験からソフトスキルを身につけ、多くのことを学ぶことができます。

スクールについて

学校は自分たちで作れる

スクールについて

オルタナティブスクールのような新しい形の学校を作るために、必ずしも学校法人のような大掛かりな準備が必要なわけではありません。新しい法律や文科省の通知によって、これまでの学校とは異なる学びの場の重要性が認められ、民間の無認可学校において要件を満たせば出席扱いが可能になるなど、新しい教育には追い風が吹いています。

これらの理由から、私たちは新しい形の学校、オルタナティブスクール「ちいさな学校」の創設に向けての第一歩を踏み出しました。「自分が行きたい学校をつくる」というポリシーの下、まずは単発のイベントを開催することからスタートしました。

最初のイベントは「みんなの一万円」というものです。全員で一万円を使うとしたらどのような使い道がいいか話し合い、二乗投票という新しい投票の方式で決定しました。投票箱や、案内チラシなども生徒が製作しています。

スクールについて

時代はソフトスキルを求めている

スクールについて

これまで教育は、学歴を得ること、就職することを目標にしてきました。しかし、近年の研究ではそうした一時的な喜びでは人生の質を高めることができないという指摘が増えています。

ここで「ソフトスキル」という言葉が重要になってきます。これは、知的好奇心や学ぶ意欲、課題解決力、相談スキル、共感スキルなど、人と人との関わりに必要なスキルのことを指します。専門的なスキルは後からついてくるもので、それよりも他者との関わりや学ぶ姿勢を持っていることが重要だということです。

ちいさな学校では、このようなソフトスキルを身につけることを最重要としています。なぜなら、学歴や就職以上に、ソフトスキルやコミュニケーションが良好であることが人生の質を高めるために必要であり、教育は幸福に生きるためにあるからです。

これらのスキルは数値化や計測が難しく、強制してトレーニングすることもできません。ソフトスキルを身につけるためには、誰もが安心してコミュニケーションを取ることができ、自分の知的好奇心に従って深く学ぶことができるT型の学校である必要性があります。

課題1 教育の選択肢が無い

ちいさな学校を作るにあたって、解決したい課題が2つあります。1つは青森市に教育の選択肢が無いということです。保護者の方は、公立学校に多少の違和感を覚えながらも、「学校の先生も熱心にやってくれている」「他の選択肢がない」というあきらめに似た気持ちになる方が多いようです。

それだけに、新しい教育へのニーズは非常に高いと感じています。ちいさな学校の教室見学に来た方からは「こんな学校を待っていました」「子どもが学生の時に行かせたかった」という声をいただいています。ちいさな学校のイベントや教室見学に来た方は、すでにのべ100名を超えました。

スクールについて

青森市に教育の選択肢が無いという課題に対して、ちいさな学校が新しい選択肢になることで解決していきたいと考えています。これはT型のタテ棒、これまでの教育とは異なる深さや独自性にあたります。

しかし、解決が難しい課題もあります。教育の選択肢を増やすために新しい学校を創設する試みがありますが、行政の補助が一切ないために赤字経営となり、その結果として活動を終了するケースが見受けられます。これは、教育の選択肢が増えないという問題へとつながり、負のループを生んでいます。

課題2 青森市500人の不登校児童

解決したい課題の2つ目は、10年間で2倍以上に増え続けているいわゆる不登校の生徒についてです。私たちの推定では、この小さい青森市で学校に行けない小中高校生は500〜1000人いると予想しています。これは市内の最大規模の中学校に匹敵する人数です。

不登校になる生徒はごく普通の生徒です。文部科学省も”不登校については,取り巻く環境によっては,どの児童生徒にも起こり得ることとして捉える必要がある。”と明記しています。誰にでも起こる不登校をきっかけとして社会との断絶が発生しているのであれば、いわば不登校の生徒は制度上の被害者とも言えます。

スクールについて

公立学校の先生や教育委員会はすでにかなりの努力をされていますが、それをはるかに上回るペースで学校に行けない生徒が増えています。なぜなら、既存の制度で解決するには構造上の限界があるからです。したがって、公立学校とは別の切り口で、地域社会がアクションを起こす必要があります。

ちいさな学校が、不登校であるかどうかに関係なく通える誰にでもやさしい学校として、不登校の生徒の選択肢を用意できたらと考えています。これはT型のヨコ棒、誰にとってもやさしいという部分にあたります。

スクールについて

ちいさな学校とは

スクールについて

ちいさな学校での学びは、大学と保育園の良いところを合わせたような新しい学習スタイルです。大学のように自分で活動や科目を選び、保育園のように少人数で活動し、知的好奇心をもとに自由に別のグループに移行することができます。

学びの内容は、地域課題を解決するプロジェクト学習、マイクロ起業、教科の学習、ゲーム、スポーツなどです。自己決定とは、一人で決めることではありません。仲間や大人に相談しながらメリット・デメリットを比較して自分で決めるということです。

時間割はなく、全てが自己決定によって進められるため、周りの仲間や大人たちとの相談やコミュニケーションが自然に発生します。

一日の流れ

活動の形はそれぞれ違いますが、以下にある生徒の一日の流れをご紹介します。

1. 方向づけ

教室に来て、その日のやることを決めます。大人(先生)や先輩に相談しながら生徒主導で決定します。この日はねぶた祭りのあとのゴミ拾いをするというプロジェクトの計画を進めることにしました。これまでに例のない創造的なプロジェクトです。

2. 活動

メンバーにチャットで連絡をしたり、警察に許可の確認をしたりします。参加人数や時間帯によってシフトを組むことが必要だということがわかりました。警察には、ゴミ拾いにあたって何か許可が必要かどうかを電話で確認しました。大人は少し後ろから見守り、助けを求められた時にサポートします。この日は電話をかける時にどのように話したら良いかをアドバイスしました。

スクールについて

3. フィードバック

活動を振り返ってみて、等身大の自分を記録します。この日は慣れない電話をするのが非常に大変だったことを記録に残しました。大人からの一方的な評価ではなく、生徒自身の素直な内省を記録することで、充実感や次のアクションにつなげます。

4. アウトプット

今後プロジェクトが完了したら、動画を制作してYouTubeに公開する予定です。秋に行われるちいさな学校の発表会でも動画を上映します。

スクールについて

全員をえこひいきする

ちいさな学校の「ちいさな」とは少人数であることを意味しています。決められた正解がない学びに取り組むには、生徒が意見や感情を自己表現できる信頼関係が非常に重要です。そのためには大人も生徒も等身大の自分で関わることが必要です。

誰にとってもやさしい学校であるためには、大人も生徒もお互いに尊重し合い「全員をえこひいきする」という関係性が重要です。

T型のヨコ棒のやさしさがあるからこそ、タテ棒の深さが生まれるのです。

スクールについて

身につく力と進路

ちいさな学校では、高卒資格まで取得可能ですが、単なる学歴や専門的なスキル以上に、知的好奇心や学ぶ意欲、意思決定などのソフトスキルの育成を重視しています。ソフトスキルが高まることで自分の進むべき道が広がり、より豊かな人生を送ることができます。

さらに、既存の学校制度とも調和しながら新しい教育を受けることが可能です。たとえば、文部科学省の要件を満たすことで公立小中学校の出席として認定され卒業資格を得ることが基本的に可能になっています。

公立学校に週4日通い、ちいさな学校に週1日通うこともできます。また、通信制高校と提携を結んでいるので、ちいさな学校でサポートを受けることで高卒資格取得も可能です。

スクールについて

これまでのタイムライン

2020年12月
キックオフイベント「みんなの一万円」開催(以後不定期イベント開催)

2021年2月
青森市教育委員会による不登校児童に係る情報交換会に参加(以後継続して参加)

2022年4月
通信制高校と提携を締結

2023年3月
プレオープン、見学受付開始

2023年5月
イベント参加者、教室見学者がのべ100名を超える

支援のお願いと使いみち

スクールについて

以上のように少しずつちいさな学校での活動がスタートしています。

これらの活動には経費がかかります。具体的には、家賃、設備費、光熱費、そして活動に必要な移動費や材料費など、様々な出費があります。今後2〜3年間は持ち出しでの運営が続くと思われます。

そのため現在参加している全てのスタッフは無償ボランティアでの活動をお願いしており、生徒たちが学ぶ環境に経済的な格差が生まれないよう、給付型の奨学金制度も整えています。しかし、十分な運営は難しいのが現状です。

私たちの学校の理念に共感していただける方に、経済的支援という形で一緒に参加していただきたいと考えております。いただいたご支援はちいさな学校の生徒のために、上記の経費(特に奨学金)として役立たせていただきます。

支援の種類

¥0

SNSでシェア

一人でも多くの方の目に触れることがプロジェクトへの大きな支援になります。ぜひ、SNSでのシェアをお願いいたします。

¥330/月

月額サポート

毎年の活動レポートをお送りします。

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¥3,000

金額指定プラン

今年度の活動レポートをお送りします。金額は以下のページから変更可能です。

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出資プラン

毎年¥10,000の返済と活動のレポート、年1回のご会食またはお茶会にご招待します。

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回数券

生徒さんがちいさな学校に通うご家庭向けの回数券です。4回つづりになっており、教室に来た時に1枚チケットをいただきます。通常金額¥15,500です。

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¥69,000

3ヶ月プラン

生徒さんがちいさな学校に通うご家庭向けの前払いプランです。3ヶ月間何回でも教室に通うことができます。通常金額¥86,400です。

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よくある質問

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